イギリスとアメリカは、同じ言語で切り離されている。
英語には、大きく分けてアメリカ英語とイギリス英語の2スタイルがあります。
アメリカ英語の流暢な方でも、イギリス英語が聞き取れない人も少なくないと言われ、アメリカ人の私でも、イギリス英語が聞き取れない場合もあるほど、アメリカ英語とイギリス英語にそれぞれ違いがあります。
ただし、これはあえて話し言葉のことで、書き言葉となると、両国にはさほど差はありません。それに、書き方が固ければ固いほど、違いが少なくなります(これはなぜかというと、固い言葉は口語体と比べて、変化のスピードが遅いからです)
とはいっても、書き言葉でも、ぜんぜん変わらないわけではありません。では、英語を書く際、どちらのスタイルを使えばいいのでしょうか。
一般的に、それぞれ、ご自分が一番慣れているスタイルを使えばいいと思います。アメリカ英語もイギリス英語も立派な文書になるし、だいたい、誰が読んでもわかるはずです。
ただ、一つは、映画やTVなどの影響で、イギリス人はアメリカ英語にある程度慣れている一方、イギリス英語に慣れていないアメリカ人はかなりいます。有名なハリーポッターの小説でも、アメリカ版では言葉がアメリカ英語に直されているところがたくさんあります。(たとえば、car parkがparking lotになったり、sellotapeがscotch tapeになってりしています。)そして、販売促進の資料など、どうしても対象読者のスタイルにしないといけないものもあります。
だけれども、上記のような例外を抜いて、一般的には、どちらを使ってもかまいません。ただ、英文を書く際にあたって大事なのは、両スタイルを混ぜないことです。アメリカ英語で書いているなら、一様にアメリカ英語にすること、イギリス英語で書いているなら、統一的にイギリス英語で書くことが重要です。
たとえば、クォーテーションマークがあった場合、アメリカ英語では、句読がクォーテーションマークの内側に来ますが、イギリス英語では外側に来ます。
米語: He replied, “I am not finished.”
英語: He replied, “I am not finished”.
アメリカ英語で書いているなら、前者の書き方にしなければいけません。ただ、一つの例外として、マニュアルなどで、ユーザにそのまま文字を入力してもらわなければいけない場合、ユーザが誤解して句読を入力してしまわないよう、私は句読をクォーテーションマークの外側にするようにしています。たとえば、
In the text box, enter “My Folders”.
つづりについて
アメリカ英語で書いているとき、通常、スペルをすべてアメリカ風に直します。そして、イギリス英語で書いているとき、その逆にします。たとえば、イギリスには、Labour Partyという政党がありますが、アメリカの新聞などでは、Labor Partyと書くのが普通です。その一方、アメリカのDepartment of LaborはBBCなどでは、Department of Labourとつづります。
これは、日本語を英語に翻訳する際、厄介なものです。たとえば、厚生労働省の正式英語名はMinistry of Health, Labour and Welfareですが、上記のルール上、アメリカ英語ではMinistry of Health, Labor and Welfareと、”Labor”と書かなければいけませんが、それをいやがる日本人クライアントもいます(厚生労働省のHPでは「Labour」と書いているのに、と)
ただし、日本の組織の正式英語名がイギリスつづりでも、アメリカ英語で書くなら、アメリカ風にすべきです。Labour→Laborのほかに、programme→program、colour→colorなども同様です。もちろん、イギリス英語で書く際、その逆です。
終わりに
書き言葉に関して、アメリカ英語とイギリス英語の間には、大きな差はありませんが、英文を書く際、ある程度その違いを理解して、どちらかに統一しなければ、いい文書が出来上がりません。


